前回→VMLS 12.1
テキスト→Introduction to Applied Linear Algebra – Vectors, Matrices, and Least Squares
12.2 Solution
この章では、データ行列 についての
計算による解法
このセクションでは基本的な計算による最小二乗法の解法を学ぶ (証明には計算を用いない他の手法もある。そちらは次のセクションに記す)。関数 を最小化する は
を求めるために に対して偏微分する。和を項別微分すると、
最小二乗法の解法の導出を続ける。 を最小化するどのような も次式を満足する。
の各列が線形独立であるという我々の仮定 (12.2) は、グラム行列 が正則であることを示唆している (214ページ、*3 )。これは
我々は (12.5) で現れる行列 をすでに学習している。(11.5) で与えられる行列 の疑似逆行列である。したがって我々は最小二乗法の解法をシンプルな形で
で見たように、 は の左側逆行列であり、この over-determined な連立方程式 が解を持つとき、 はこれを解くことができる。しかしいま、我々は最小二乗解、つまり を最小化する に着目している (そしてもし に解が存在するとき、 こそが解である)。
方程式 (12.6) は が正則行列であるとき、連立一次方程式 の公式、すなわち、 に酷似している。最小二乗解である公式 (12.6) と、解が一意に定まる連立一次方程式の公式 との違いを理解することは非常に重要である。連立一次方程式と逆行列の場合は、 は厳密に を満足する。最小二乗解の場合は、 は一般的に を満足しない。
公式 (12.6) は最小二乗解 は の一次関数であることを示している。これより、一般に、一意な解を持つ連立一次方程式はその右辺の一次関数である。
最小二乗解の直接的な証明
このセクションでは、 が最小二乗法 (12.1) の解であることを、計算を用いずに直接証明する。任意の に対して、 が を最小化するとき
まず
行形式
最小二乗解の公式は行列 の行 に関する便利な表記がある。
直交性原理
点 は に最も近い の各列の線形結合である。最適化された残差は である。最適化された残差は直交性原理と呼ばれる性質を満足する。それらは の各列に直交し、また、 の各列の任意の線形結合に直交する。すなわち、任意の 次ベクトル に対して、
、 の最小二乗法について、直交性原理は図12.2のように示される。影のついた平面は の二つの列 と のすべての線形結合の組 を表す。点 は平面上で最も に近い点である。最適化された残差は点 は から へのベクトルとして表される。このベクトルは平面上のどの点とも直交している。
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